台湾では桜守も活躍
海外で、最も日本の桜が多種にわたって咲き誇るのは台湾だ。カワヅザクラ、吉野桜、大島さくら、フジザクラ、ソメイヨシノなど、寄贈された桜の苗木は品種にもよるが、台湾の在来種と接ぎ木され1年以上種苗園で養生し、それから各地に植えられる。こうしたやり方が功を奏し、中部の新竹市を代表するように、各地に新しい桜の名所ができている。その舞台裏では、日本の「桜守」顔負けの樹木医や桜の愛好家が細やかな世話を続けていることを忘れてはならない。私が知っている限りでも、多くの地域で市民ボランティアが愛情深く苗木の生長を見守り、見事な開花につなげている。
市民レベルの、質の高い桜守がいることのほか、日本の統治が50年に及び桜に対する親愛の情が厚いことや、台湾在来の紅色の「カンヒサクラ」と大島さくらとの交配で生まれた日本のカワヅザクラが台湾の気候に適しているなど、植樹成功の舞台が整っている。それに比べて、10月から平均気温が10度を下回り、4月初めまで最低気温が零下となるバルト三国のリトアニアは寒冷期間があまりに長い。気候一つとっても圧倒的に不利で人々もそれほど桜になじみがないはずだ。それなのにどうして桜の公園がカウナス市の一等地にオープンし、市民が大きな期待を寄せるのか?その答えを探るには歴史をさかのぼらなければならない。

