日銀は30日の金融政策決定会合で、一時的な変動要因を除く基調的な物価上昇率が目標の2%に到達したと判断した。2013年1月に目標を導入し、大規模な金融緩和で実現を目指してきたが、今後はこの水準で安定させるため、インフレ抑制に軸足を置く。日銀の金融政策運営は約14年越しで新たな局面に入る。

 基調物価については、同日公表した最新の景気予測「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」に、「2%の目標とおおむね整合的な水準となっている」と明記した。植田和男総裁は記者会見で、「基調物価を2%の水準で安定させることが重要だ」と述べた。政策金利は1.25%に据え置くことを賛成多数で決めた。

 大規模金融緩和の一環で購入した上場投資信託(ETF)の売却ペースを、簿価で年8600億円程度(従来3300億円程度)に増額することも決定した。年明けから実施する。売却開始後も市場に大きな影響が出ていないことを踏まえ、ペースを加速させる。従来のペースでは売却完了に約112年かかる計算だったが、約43年に短縮されるという。

 日銀は、前回の利上げ後も金融環境が依然として緩和的だとみている。中東情勢の緊迫による原油価格高止まりや、世界的な人工知能(AI)関連需要の増大、円安による輸入コスト増などで物価の上振れリスクは強まっており、今後も利上げを継続する方針だ。金融市場では12月の追加利上げが有力視されている。 

金融政策決定会合を終え、記者会見する日銀の植田和男総裁=30日午後、日銀本店
金融政策決定会合に臨む日銀の植田和男総裁(中央)ら=30日午前、東京都中央区の日銀本店(代表撮影)

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