警察庁は4日、米グーグル社と連携し、通信回線とつながる家庭用IoT(モノのインターネット)機器に不正なソフトウエアが仕組まれ、サイバー攻撃の「踏み台」にされていた実態を解明し、関連サーバーなどを無力化したと発表した。機器の製造を受注した中国系業者が、あらかじめ不正なソフトを組み込んで出荷していたという。
同庁によると、ダウンロードしたアプリなどを通じて機器を不正利用される被害は多いが、機器販売業者や購入者が知らないうちに不正ソフトを仕組まれる被害が判明したのは初という。
福岡県警が捜査するネットバンキングの不正送金事件に絡み、アクセス元の追跡で機器を発見。警察庁サイバー特捜部が実態を解明し、グーグルに情報提供した。グーグルの調査では、被害は130万台以上の機器に上り、同社は関連サーバーを削除し、製造業者との取引を停止するなどした。
同庁などによると、不正ソフトはグーグルのテレビ向けOS「アンドロイドTV」の接続機器から見つかった。製造を外注された中国の業者が、委託元に無断で仕組んで納入。世界各地の量販店やネット通販で販売されていた。
この機器の購入者が家庭の回線につなぐと、外部の指令サーバーに自動接続され、IPアドレスなど「乗っ取り」に必要な情報を勝手に送信する不正アプリがインストールされる。ハッカーは漏えいアドレスを取り扱う業者から情報を購入し、サイバー攻撃や不正送金に悪用していた。
家庭用機器を踏み台にすることで、攻撃元の特定が難しくなるという。
同庁によると、IoT機器を通じた不正送金は2025年に少なくとも737件(被害額約14億円)確認された。26年に相次いだ企業への不正アクセスでも、十数件でIoT機器が利用されていた。同庁は購入者への注意喚起と並行し、業者にも取引先への警戒を呼び掛ける方針だ。
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